2025-05-21業務案内
漏電ブレーカーの点検をしていますか?
もうすぐプールの季節です。
当社ではプールに関係する漏電ブレーカーの点検を行っております。
今回の記事では、漏電ブレーカーとは何か、どんな点検が必要か、などをお話ししたいと思います。
1.漏電ブレーカーとは?

漏電ブレーカー(写真上)
漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、漏電が起きた時に自動で電気を止めるための機器です。
住宅などでは設置義務があるので、皆さんの自宅にもあると思います。
たいていは、「漏電ブレーカー」と記載があったり、「感度電流30mA」などの記載があります。
写真の黄色い部分のような「漏電表示」というものが付いていることが多いです。
漏電を検知すると、この黄色い部分が飛び出します。
漏電ブレーカーがトリップすると、ハンドルはONとOFFの間で止まります。
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寺崎電器産業(株)の図をもとに作成
この状態から再度ONにするときは、一度ハンドルをOFFに倒してリセットする必要があります。
(リセットすると漏電表示は自動で戻るものが多いです。)
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寺崎電器産業(株)の図をもとに作成
その後、ハンドルをONにしてもトリップする場合は、まだ漏電している状態なので原因を取り除かなければなりません。
この確認方法は覚えておくと、いざというときに役に立ちます。
2.漏電ブレーカーの点検方法
(1)テストボタンを押しての動作確認
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寺崎電器産業(株)の図をもとに作成
通常、漏電ブレーカーには日常点検用の「テストボタン」が付いています。
このボタンを押して疑似的に漏電を起こしてトリップするか確認することができます。
万が一、これでトリップしない場合は漏電が起きても動作しない可能性があります。
その場合は速やかにブレーカーを交換することをお勧めします。
(2)試験機を使用しての点検

共立電気計器(株)ホームページより
漏電ブレーカーには専用の試験機もあります。
こちらも疑似的な漏洩電流を流し、漏電ブレーカーが正常に作動するか確認するものです。
試験機を使った試験では、トリップするかどうかだけではなく、
電流値の大きさや動作時間が規定値以内にあるかを判断することができます。
3.漏電ブレーカーの動作基準について
電気工事や維持管理の基準となる民間規格である「内線規程」では、以下のように規定があります。
感電事故防止を目的として施設する漏電遮断器は、高感度・高速形のものであること。
ここでいう高感度とは、感度電流が30mAということで、高速型というのは漏電検出から0.1秒以内に遮断するものを指します。
そして漏電ブレーカーが動作する電流値は、感度電流の50%以上と決められています。(JIS C 8201-2-2)
4.漏電の危険性
人体に電流が流れた場合、2~3mA(ミリアンペア)ではピリピリする程度ですが、
数10mA流れると心臓の機能に異常が発生して、生命の危機に陥る場合もあると言われます。
また、数百mA~数A以上の電流が流れると火災につながる恐れがあります。
そのため、漏電が発生してしまった場合は速やかに電気を止める必要があります。
5.まとめ
このように漏電ブレーカーが正常に動作することは、とても大切なことです。
そのほかの電気機器と同様、定期的に点検することをお勧めします。
「点検方法がわからない」「専門家の意見を聞きたい」といったご要望がありましたら、
お気軽にお問い合わせください。