2025-02-18業務案内
【解説】竣工検査ではどんなことをする?
先日、都内の某学校にてキュービクルの工事に立ち会いました。
この記事では、工事のときに主任技術者が行う業務内容について解説します。
※あくまで一例であり、工事の内容によって業務内容も変わります。
1.朝礼~銘板の記録
(1)朝礼
工事現場なので、まずは朝礼で監督さんから色々と説明を受けます。
このとき
「主技さんからも何かあればお願いします」
と聞かれることもあるので、伝えることがあれば伝えておきます。
(2)工事の監視
朝礼が終わると、職人さんたちはここから機材の搬入や養生などの作業に移ります。
われわれ主任技術者は、適切な工事がされているかを監視する役目もあります。
気づいたことがあれば、監督さんに報告します。

キュービクル内の機器更新中

PASの更新中

高圧ケーブルの更新中
(3)銘板の記録
工事後に提出する書類には、各機器の情報を記載しなければなりません。
取り付けた後に確認するのは大変なので、事前に機器の銘板を写真に収めておきます。

PAS(柱上気中開閉器)の銘板の位置(例)
2.絶縁耐力試験
竣工検査で主任技術者が目立つ瞬間があります。
それが絶縁耐力試験です。

絶縁耐力試験中の様子
絶縁耐力試験とは、取り付けた機器が
『高電圧をかけても本当に大丈夫か』を試験することです。
これは電気設備の技術基準の解釈第15条に規定があります。

絶縁耐力試験の配線図(例)
試験の流れは以下の通りです
① 対象物の絶縁抵抗値を測定
② 絶縁耐力試験を開始
③ 5,000Vまで昇圧し、検電器で電圧があることを確認
④ 10,350Vまで昇圧し、10分間印可し続ける
⑤ 開始から1分、5分、9分経過時の一次電流及び漏れ電流を記録
⑥ 10分経過後は降圧して試験器の電源を切る
⑦ 検電器で無電圧を確認し、残留電荷を放電させる
3.リレー試験
今回はSOG制御装置やOCR、VCBも更新しているので、
年次点検の時と同様に、これらのリレー試験を行いました。

VCB(高圧真空遮断器)とOCR(過電流継電器)
【用語】
SOG制御装置(Storage Over Current Ground:過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ動作)…地絡や短絡などの事故電流を検知し、開閉器へ信号を送る装置
OCR(Over Current Relay:過電流継電器)…過電流を検知し、開閉器などへ信号を送る装置。
VCB(Vacuum Circuit Breaker:真空遮断器)…真空バルブを使って短絡などの大電流を遮断できる機器。
4.その他の試験・点検~通電
そのほかにも、コンデンサのトリップ試験や、
絶縁抵抗値・接地抵抗値の測定なども行いました。
すべての試験が完了し、外観に異常がなければ、電力会社様に電気を送ってもらいます。
この日はトラブルもなく、予定通り工事を終えることができました。
5.まとめ
工事ではいろいろな会社が現場に入ります。
主任技術者としては、試験や点検をスムーズに進めることはもちろん、
異変に気付き、それを伝えることができなければなりません。
当社では、工事立ち合いの経験も豊富ですので、
工事や試験業務についても、安心してお任せください。
(お問い合わせはページ上部・下部にございます)