2025-02-03業務案内
【解説】年次点検ではどんなことをする?
先日、年次点検を実施しました。
この記事では、当社が実施している一般的な年次点検の内容についてご説明します。
※物件によって内容は若干異なります。
1.開閉操作~安全対策
機材の搬入や準備が終わったら
お客様に確認し、問題がないようであれば停電します。
この停電というのは、PASやUGSといった区分開閉器を操作して
建物に供給する電気を完全に止めてしまうことです。
PAS・UGSの役割についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
照明やコンセントだけでなく、
防犯システムや消防設備なども停電するため
関係各所への連絡をお願いしております。(警備会社など)
2.SOG制御装置の動作試験
受変電設備には、事故が起きた際に安全に停電するために
様々な安全装置があります。
そのうちの一つが、PASやUGSを動作させるためのSOG制御装置です。
この動作試験も大切な点検内容です。

SOG試験
簡単に説明すると、
疑似的に事故電流を発生させて、
SOG制御装置がその電流を感知して動作するときの
電流値や時間などを測定しています。
この測定値が正常の範囲内になるかどうかを見ています。

UGSとSOG制御装置
3.過電流継電器(OCR)の動作試験
電気の使い過ぎや故障などで
大きな電流が流れると、火災や感電などの危険性があります。
そのような大きな電流を感知した際に安全に停電させるための設備が
「高圧真空遮断器(VCB)」と「過電流継電器(OCR)」です。

過電流継電器(OCR)
この過電流継電器の試験も、先ほどと同様に
疑似的に事故電流を流して、正常に動作するか確認します。

過電流継電器(OCR)試験
4.接地抵抗・絶縁抵抗値測定
何らかの原因で漏電が起きた際、
電気を大地に流してあげることで感電や火災を防止しています。
このように大地への逃げ道を作ることを「接地」といいます。
洗濯機や冷蔵庫などにつなぐ「アース線」はこの「接地」をしている線のことです。
年次点検では、この接地がちゃんとされているかを確認します。
これを専門的にいうと「接地抵抗測定」といいます。
また、電線や電気機器には電気が外に漏れないように作られている必要がありますが、
この性能のことを「絶縁性」などと呼び、
この絶縁性能を確認することを「絶縁抵抗測定」といいます。
このほかに、
現場によっては「漏電火災警報器」の試験を実施する場合もあります。
5.清掃~復旧
受変電設備は停電をしないと近づくことができません。
そのため、1年間の汚れが溜まっていることもあります。
ほこりなどの汚れは放っておくと事故の原因となる可能性があります。
当社では年次点検の際に、受変電設備の清掃も行っております。

清掃中
6.まとめ
以上が一般的な年次点検で実施している内容となります。
これは現場によって異なりますので、心配な方は事前に内容を確認することをお勧めします。
【今回の年次点検で実施した内容】
・SOG制御装置動作試験
・過電流継電器(OCR)動作試験(VCB連動)
・接地抵抗値測定
・絶縁抵抗値測定(低圧・高圧)
・漏電火災警報器動作試験
・清掃
当社では各種試験機を用意しております。
年次点検業務をご検討の方は、お問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
(お問い合わせはページ上部・下部にございます)